目の下のたるみとは
年齢とともにまぶたの皮膚がたるむだけでなく、まぶたを支えている組織が緩み、
眼窩脂肪という目の周りの脂肪が突出することにより起こります。
このような方に手術をお勧めします
- 下まぶたの凹みが気になる
- 下まぶたのたるみ、ふくらみが気になる
- 下まぶたのクマが気になる
- 疲れているように見える
目の下のたるみの原因
眼球が骨に囲まれた部分を眼窩(がんか)といいます。
眼窩には眼球と眼球の働きを維持するための様々な組織(脂肪、筋肉、視神経、涙腺など)が入っています。
眼窩脂肪は上まぶたでは2つ、下まぶたでは3つのコンパートメントにわかれています。
加齢とともに、まぶたの皮膚や筋肉の弾力性が低下します。
さらに眼窩周辺の骨の変化や眼球や眼窩脂肪を支えている組織も緩み、脂肪が前に突出してきます。
さらに皮膚と骨を連結させている支持靭帯(retaining ligament)も年齢とともにゆるみ、目の下に深いシワを作ります。
これが合わさり、目の下のたるみやクマとなります。
治療法
ヒアルロン酸注入療法
美容用ヒアルロン酸を用いて、目の下のボリュームを補填します。
皮膚の段差を減らすことで目の下のたるみを軽減させます。
ヒアルロン酸製剤は注入後1年で7割ほど残っていると言われており、頻回の注入は必要ありません。
ただし、突出した脂肪を押さえ込む効果はないため、適応となる症例には限りがあります。
術式 | ヒアルロン酸注入 |
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術前 | 目の下のふくらみは少なく、深いシワができています。 |
術後 | 深いシワが消え、目の下の影がなくなりました。 |
手術法
まぶたの裏の結膜や皮膚を切開し、脂肪を切除または移動させます。
脂肪切除術
まぶたの裏側を切って、眼窩脂肪を切除します。
下まぶたの脂肪は内側、中間、外側の3つのコンパートメントに分かれており、
それぞれのコンパートメントから適量の脂肪を取り除くことによって、自然で若々しい目元が復活します。
皮膚を切らずにまぶたの裏を切るため皮膚を縫合する必要はなく、抜糸も不要です。
ただし、目の下の深いくぼみやシワを伴う場合、眼窩脂肪を取り除くのみでは逆にくぼみやしわが目立つことがあります。
その際は、脂肪移動術をお勧めします。
術式 | 両眼 下眼瞼経結膜脂肪切除術 両眼 上眼瞼皮膚+脂肪切除術 |
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術前 | 目の下のふくらみと上まぶたのたるみが目立ちます。 |
術後 | 目の下のふくらみが消え、平坦になりました。 上まぶたのたるみも改善し、全体的に目元がすっきりしています。 |
脂肪移動術
目の下の膨らみがひどく、かつ目の下のシワが深く、
さらには皮膚のたるみもひどいような場合は眼窩脂肪移動術が有効です。
眼窩脂肪を頬の前面(支持靭帯の下)に移動させます。
まぶたのボリュームを維持した状態でヘルニアを改善させることができ、目の下をフラットにすることができます。
目の下の深いシワも改善します。
皮膚を切らずにまぶたの裏側を切って移動させる方法(裏ハムラ法)、皮膚の切除を同時に行う方法(表ハムラ法)があります。
基本的には傷跡の残らない裏ハムラ法をお勧めします。
ただし皮膚のたるみや目の下の小じわが多い方には表ハムラ法が適しています。
術式 | 両眼 下眼瞼脂肪移動術(裏ハムラ法) |
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術前 | 目の下のシワが深く、膨らみも目立ちます。 |
術後 | 目の下の深いシワと膨らみが消えて、平坦になっています。 |
手術の副作用、リスク、注意事項
- できるだけ左右差を少なくするように手術を行いますが、完全に左右対称にはなりません。
術後に左右差が大きい場合には再縫合や再手術を行うことがあります。 - 再発することがあります。
- 術後に傷が離開し、出血が起こった場合は再手術が必要です。
- 術後感染などで眼窩蜂巣炎がおこることがあります。
- 術後6か月から1年で傷口は目立たなくなりますが、傷あとが目立ったり、ケロイドになることがあります。
- 手術中にまぶたの形を確認するために局所麻酔で行います。
- 手術の痛みを和らげるために、麻酔のクリームや点眼を使用し、鎮静剤や笑気麻酔を使用します。
- 手術中に鎮静剤を使用した場合、嘔気、嘔吐、頭痛、血圧低下、徐脈、呼吸不全が起こることがあります。
目の下のたるみ取り料金表
眼窩脂肪移動術 (ハムラ法or裏ハムラ法) |
両眼 | 500,000円 |
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眼窩脂肪切除術 | 両眼 | 330,000円 |